静坐の友(季刊誌)

第14号 先師に導かれて -不二登禅を- 桑名市 藤井 英昭 氏

 初日の出のような文章を書くのが、年頭の所感だと思います。ところが私はお日様よりお月様が好きで、煌々と照り輝 く月ではなくて、雲の間に見え隠れする月が一番美しい。茶の湯の祖、村田珠光の影響で、完全無欠なものではなくて、 いろいろ障害がある存在こそいいものなのだ、という意見ですから。

 そもそも静坐は、暦の様な初日の出とか念頭に左右されることなく、ヤル気が起こることが一番だと存じます。

 大きくでたな、それでお前はどうなんだという声が聞こえてくる。だから記事は引き受けたくなかった。朝は三十分、 シャニムニ坐っている。夕方は夕食後、少しして三十分坐っている。第三者に腹の具合を見てもらうことが必要かもしれ ませんが、時間がないし、当分続行していくつもりです。

 小林信子先生から地方の静坐会のお世話を言われ、桑名静坐会は、私の寺の一番いい部屋を使ってもらって、世話係と しての先生とのお約束は果たしていると自負しています。(報恩寺)

              和歌一首
               空しきをきわめ終りてその上に
                   世を常なりとまたみつるかな
                               京極為兼